はじめに:正直、怖かった
「スマホにしなよ」
何度この言葉を聞いたか分かりません。
そのたびに私は笑ってこう返してきました。
「いやいや、ガラケーで十分だよ」
——本当は違いました。
分からないものが、怖かっただけです。
気がつけば、世の中はすっかり変わっていました。
病院の予約も、役所の手続きも、ポイントカードも——
「アプリでお願いします」
その一言で、私は取り残される側の人間になった気がしました。
70歳。
今さらかもしれません。
でも私は思ったのです。
「このまま終わりたくない」
立ちはだかった、3つの現実
意を決してスマートフォンを手にしました。
しかし、その日から私は何度も打ちのめされることになります。
① 指が、言うことを聞かない
タップ?スワイプ?
やってみても反応しない。
強く押せばいいのかと思えば、違う画面に飛ぶ。
そのたびに焦り、こう思いました。
「壊したかもしれない…」
機械に触るだけで、こんなに緊張するとは思いませんでした。
② カタカナが、まるで呪文
アカウント、インストール、Wi-Fi…
説明を聞いても、頭に入ってきません。
特に苦しかったのはこれです。
「アカウントを作成してください」
——そもそも、それは何ですか?
分からないことを分からないまま進める不安。
それが一番つらかった。
③ 最大の敵「パスワード」
これが一番苦しかった。
・英数字を混ぜてください
・8文字以上にしてください
・他と同じものはダメです
やっと作ったのに——
次の日には思い出せない。
そして起きる悲劇。
「パスワードを再設定してください」
→ そのためのパスワードが分からない
私は何度も、画面の前で固まりました。
正直、何度もやめようと思った
夜中に間違えて電話をかけてしまったこともあります。
意味不明なスタンプを送り続けてしまったこともあります。
ある日、画面が真っ暗になりました。
私は確信しました。
「ついに壊した」
慌てて店に駆け込みました。
——ただの充電切れでした。
恥ずかしさで顔が熱くなりました。
それでも、やめなかった理由
そんな私に、小さな奇跡が起きました。
孫と、ビデオ通話ができたのです。
画面の中で、孫が笑いました。
「じいじ!」と呼んでくれました。
その瞬間、胸の奥がじんわりと温かくなりました。
私は気づきました。
これは機械じゃない。人とつながる道具なんだ。
世界が少し広がった瞬間
今では、散歩中に花を見つけるとスマホをかざします。
すると名前が出てくる。
育て方まで教えてくれる。
分からない言葉は、声で聞けばいい。
昔なら諦めていたことが、今はその場で分かる。
スマホは、私にとって
**「好奇心を取り戻す道具」**になりました。
私が決めた、3つの約束
失敗ばかりの中で、自分なりのルールを作りました。
① 完璧を目指さない
全部できなくていい。
できることだけでいい。
それだけで、十分生活は変わります。
② 恥を捨てて、頼る
分からないことは聞く。
何度でも聞く。
これが一番の近道でした。
③ 手書きをバカにしない
パスワードはノートに書く。
操作も書く。
デジタルのためにアナログを使う。
これが、私には一番合っています。
おわりに:あなたへ
もし、あなたが今こう思っているなら——
「もう歳だから無理だ」
その気持ち、痛いほど分かります。
でも、あえて言わせてください。
それは、間違いです。
私でもできました。
失敗だらけでも、できました。
大事なのは、才能ではありません。
「やってみるかどうか」だけです。
今日、たった一回でもいい。
画面をタップしてみてください。
そこから、あなたの新しい人生が始まるかもしれません。
(追伸:このブログを読んでくれたあなたへ)
もし「分からない」と思っていることがあれば、
コメントでも、メモでもいいので書いてみてください。
分からないことは、恥ではありません。
挑戦しないことだけが、もったいないのです。
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